【感想】自分の居場所を見つける男の物語【ラピスの心臓】

ラピスの心臓

なろう小説が書籍化され始めた頃の黎明期、エンターブレインからオーバーロード、幼女戦記が書籍化された頃、時を同じくして書籍化されたのがこの作品。

当時エンターブレインから書籍化されたなろう小説はクオリティーが高いものが多かったためこちらの作品も購入したのだが、見事に当たりだった。

読んだことがない人には是非読んでいただきたいこちらの作品の感想を今回は書いていきたいと思う。


物語のあらすじ

狂鬼と呼ばれる凶暴な生き物でひしめき合う、灰色の森で覆われた世界。孤児として独りぼっちで生きる主人公のシュオウは、生まれながらの優れた動体視力を見込まれて、偶然の出会いを果たした凄腕の刺客に拾われる。十二年後、様々な知識や技術を習得したシュオウは、見聞を広めるために旅にでる。才に溢れるシュオウは、様々な出会いや経験を経て、着実に上への階段を昇っていくことになる。天井知らずの立身出世ファンタジーはここから始まる。


あらすじのとおり、この作品は主人公最強寄りの物語になるのだが、主人公の性格からその部分が鼻につくことがないため、主人公最強が苦手な方でも一度読んでいただきたい。また、天井知らずの立身出世と書いてあるが、それほど俺TUEEE系の作品でもないため、そこも安心してほしい。


社会の外側にいる主人公

主人公は師匠と出会ってからの数年間、その青春時代を森の中(深界)で暮らすことになる。

そのため主人公は社会の常識が分からず、またその価値観に困惑することもしばしば。

そんな主人公はどうにかして社会での自分の居場所を見つけるため、仲間たちを通してそれを探してゆくことになる。

しかし、そこに様々な思惑が交差し、主人公の運命は翻弄されてゆくことになる。

あらすじでは立身出世ファンタジーとうたわれているが、主人公自身はその生い立ちからあまり出世に興味はなく(スカしているわけではない)、どちらかと言えばその貧困時代の経験から、貴族といった上の立場の人間に苦手意識を持っている。

そんな主人公の価値観がわかる、街中で出会った孤児に食べ物を分けてあげた後のこの台詞

わずかな食べ物が、一瞬の餓えを満たすだけにすぎないって事はわかってるんだ。だけど、ほんの少しでも美味しい物が食べられたら、あと一日生きてみようって、小さな希望になるから

読んだことがある者なら誰もがこの台詞を覚えているのではないだろうか。

そんな主人公が上の立場に立った時、彼は何を思い、どう行動するのだろうか。


総評

この物語はファンタジーあり、恋愛あり、ドラマありとして大変面白く、ありきたりな物語の展開でもないため、一度読んだら主人公がこの先どうなってゆくのか気になり、一気に読み進めてしまうだろう。

弱き者の気持ちがわかる主人公の物語を是非読んでいただきたい。

残念ながら作者の都合により数年間投稿がなかったため、まだ多くの話数が投稿されておらず、書籍も2巻までしか刊行されてない。(今後刊行されない可能性あり)

しかし、1話ごとのページ数が多いため、現時点でも内容は十分ある。

ファンタジーものを探しているなら、一度こちらの作品を読んでみてはどうだろうか。

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